シュリンクラップ契約?【あの開けずらい箱のビニールです】

シュリンクラップされたソフトが並ぶ部屋 試験
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シュリンクラップ契約って?

シュリンクラップ契約とは、包装された製品に付随する契約の一種であり、特にソフトウェア業界においてよく見られる形態の一つです。

そもそもシュリンクラップとは、電機屋などに置いてあるパッケージされた四角い直方体のコンピュータソフトの箱を包んでいるラップのことです。ダウンロード全盛期とはいえ現在でもまだまだお店に並んでいるあれです。

Shrink Wrap Packaging Machine for Boxes

(シュリンクは縮むという意味です。密着して効率的な包装ですが、大体開けるのに苦労するこのラップ。参考にですがペットボトルなどの巻いてあるラベルはシュリンクラベルなどといいます。)

製品の外装や内部に記載された契約条件に対して、消費者が製品を開封することで同意したとみなされる仕組みとなっています。開封行為が黙示的な合意の意思表示と解釈され、契約が成立する根拠とされます。

近年ではパッケージの物理流通は減少傾向にあり、多くのソフトウェアがダウンロード形式で提供されているため、シュリンクラップ契約という語が具体的に何を指しているか、実感を持って理解している人は少なくなってきているかもしれません。

契約条件はパッケージに印刷されており、購入者はシュリンクラップを開封することでその条件を受け入れることになります。

契約条件は、パッケージの外装や同梱文書、あるいは製品に含まれるインストールガイドやEULA(エンドユーザーライセンス契約)文書などに記載されており、購入者はシュリンクラップを開封することで、その条件を受け入れることに同意したと解釈されます。

これは契約自由の原則と、黙示の同意の法理に基づく考え方であり、ソフトウェアのライセンス契約において特に多く使用されてきました。

企業にとっては、簡易かつ一方的に利用条件を提示できる手段として、長らく実務上有効とされてきた手法です。

法的な意義

シュリンクラップ契約の法的拘束力に関しては、長年にわたり議論が繰り広げられてきました。

消費者の側からは、開封するまで契約内容を確認できないという点から、真の意味での合意が成立していないとする主張があります。つまり、「事前に内容を知ることができない契約に対して、同意を前提とすることは不当である」という立場です。

このような批判は、契約の公平性や情報の対称性といった基本的な契約法理に立脚しています。また、これに対しては、消費者契約法や電子商取引における明示的開示義務の重要性が指摘されており、契約成立の実態をより重視する方向に法理が進化しつつあります。

一方で、企業側や法的擁護の観点からは、製品に契約条件が明示されており、かつ開封後に同意できない場合は返品可能であると明記されていれば、その契約は有効であるとする立場が支持されています。

この点は、契約の自由と黙示的な意思表示に関する法理に基づいて正当化されてきました。さらに、消費者が製品を開封することによって得られる利益、すなわちソフトウェアの利用可能性や機能の使用が、対価としての同意行為と認識されることもあります。

近年ではこのような契約の有効性を巡っては、国家間の比較法研究の対象ともなっておりEUや日本における消費者保護規制とアメリカの契約自由原則の違いも浮き彫りとなっています。

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3つのシュリンクラップ契約の判例

米国では、シュリンクラップ契約の強制力を支持する裁判例がいくつかあります。今回は代表的な3つの判例を紹介してみたいと思います。

シュリンクラップ契約はOK

その中でも代表的な判決の一つが「ProCD v. Zeidenberg」(1996年)です。このケースでは、購入者が製品を開封した後にライセンス条件を読み、それに同意できなければ返品できるというオプションが存在したことが重視されました。

裁判所は、開封=同意という形式は有効であり、契約として成立するとの判断を下しました。これはソフトウェア契約において黙示的同意が認められた初期の判例のひとつであり、その後の裁判に大きな影響を与えました。加えて、裁判所はソフトウェアの利用開始が契約同意を含意することの社会的慣行にも言及しました。

利用継続は同意

続いて注目されたのは、大手コンピュータメーカーGateway社とその顧客の間で争われた裁判です。

この事例では、顧客が一定期間製品を使用し続けたことをもって、ライセンス条件に同意したと見なされました。判決は企業側に有利な内容となり、利用継続による黙示的同意という考え方が司法の場でも容認されうることを示した重要な判例となりました。製品マニュアルや契約条件の確認可能性も重要な判断材料とされました。

さらにこの判例は、エンドユーザーが通常の注意を払えば契約条件にアクセスできたことを企業が立証した点でも注目されています。

そもそも売ってません

また、ソフトウェアベンダーであるAutodesk社によるAutoCADソフトウェアを巡る裁判もありました。

この判例では、シュリンクラップ契約の条件に従い、ソフトウェアの中古品としての再販売を禁止することが認められました。この判断は企業が自社製品のライセンスや流通を管理するための法的根拠として機能しうることを明示したものであり、知的財産保護の観点からも極めて影響力の大きい決定とされています。

特に著作権法と契約法の交錯する領域において、新たな基準を示す先例として位置づけられています。これは買い取った商品の中古売買を禁止しないという原則である「第一販売の原則(first sale doctrine)」の制限との関連でも議論されており、シュリンクラップ契約の効力が所有権移転にどのような影響を与えるかについて深い法的考察を呼び起こしました。

よりシンプルに言うならば、この判例は、ユーザーが取得したソフトウェアは販売ではなく、ただのライセンスの供与であるとした訳です。このため第一販売の原則は効かず、本のように自由な中古売買はできないよ、ライセンスは再販時にあげないよ、となってしまったわけです。

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まとめ

もっとも、こうしたシュリンクラップ契約の妥当性は国や地域の消費者保護法制や裁判例に大きく依存するため、すべての場面において一律に適用できるとは限らず検討が求められることあります。

現状国際的には、このような一方的契約が一般消費者に不利益をもたらす可能性があるとの見解から、より厳格な規制を求める動きも一部に見られます。

さらに、電子商取引の普及に伴いますます物理的な開封行為ではなく、インターフェース上での明示的な操作(たとえば「同意する」ボタンのクリック)によって契約が成立する場面がより一般化していくわけで、その中でシュリンクラップ契約で行われた議論や結論が、今後の購入契約にどのような影響を与えるかといった再評価や議論が起こることでしょう。

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