サービスプロフィットチェーンとは
サービス・プロフィット・チェーンとは、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるJames L. Heskett、Earl Sasser、Leonard A. Schlesingerによって考案されたビジネスコンセプトである。
日本語で直訳するならば、サービス利益連鎖。
一言で言えば、企業のサービスの質と業績の間には直接的な関係があり、顧客ロイヤルティはこの連鎖の重要なリンクであるとするモデルだ。
サービスプロフィットチェーンの面白いところは、従業員の満足が顧客の満足につながるということである。
そしてそれは更に利益の増加につながる、という点である。
そして下記の通りこのサービスプロフィットチェーンのモデルは、企業がどのようにして従業員の満足度を高め、顧客の忠誠心を育て、最終的に収益を向上させるかを理解するためのフレームワークを提供してくれます。
サービスプロフィットチェーンの要素
サービスプロフィットチェーンの要素は具体的に6つあります。
- 内部サービス品質: 従業員が受けるサポートやリソースの質。
- 従業員の満足度: 従業員が自分の仕事にどれだけ満足しているか。
- 従業員の生産性: 満足した従業員はより生産的であり、顧客に対してより良いサービスを提供します。
- 顧客の満足度: 従業員が提供するサービスの質が顧客の満足度に直結します。
- 顧客の忠誠心: 満足した顧客はリピート購入をし、他の顧客に推薦する可能性が高くなります。
- 利益: 最終的に、顧客の忠誠心が企業の収益を向上させます。
このように、企業が従業員と顧客の関係を強化することで持続可能な利益を生み出すわけです。
サービスプロフィットチェーンの実際の具体例
リッツ・カールトンの例
リッツ・カールトンはその代表的な例です。
まず、従業員の満足度を高めるために、定期的なトレーニングやキャリア開発の機会を提供しています。
そして現場では、従業員が顧客の好みやニーズを把握するための「ロビーライオン」という取り組みを行っています。この取り組みでは、全従業員が定期的にロビーに立って顧客との対話を通じて情報を収集します。
そしてサービスの質を向上させるためのフィードバックを得ています。

それだけでなくなんとリッツ・カールトンでは従業員に「1日2000ドルの決裁権」を与え、顧客のニーズに迅速に対応できるようにしています。
こうして主体的に権限を持つことで従業員は満足し、自信を持ってサービスを提供できます。
そして顧客により良いサービスが可能となって、顧客満足度を高めることにつながります。
この結果として顧客ロイヤルティが向上し、リピート客が増加して企業の利益が向上するのです。
リッツ・カールトンの成功は従業員の満足度と顧客の満足度が相互に影響し合い、最終的に企業の利益に結びつくことを示す典型的な良い例といえるかと思います。
余談ですが、これに近いような高品質なサービスプロフィットチェーンの実施を、マリオットインターナショナルやヒルトンといった他の高級ホテルも行っています。
サウスウエスト航空の例

サウスウエスト航空もサービスプロフィットチェーンの成功例として知られています。
ローコストキャリアー、LCC航空の代表ともいえるこのサウスウェスト航空。
LCCといえばサービスは悪かったり皆無と思われる方もいるかと思いますが、LCCのはしりの企業であるサウスウェスト航空は正反対のコンセプトの企業です。
従業員のエンゲージメントに注力し、従業員が自分の仕事に誇りを持てるような文化を育てる。
従業員の意見を尊重し、彼らの成長を支援するプログラムを提供。
更にサウスウエスト航空の従業員は顧客との関係を築くような教育を受けています。そして顧客のニーズに応えることで高い顧客満足度を実現してきました。
リッツと同じくこの見本のようなサービスプロフィットチェーンの利用で企業ロイヤルティが向上しリピーターは増え利益の増加に結びついています。
サウスウエスト航空は安かろう悪かろうといった低い基準での企業行動はしません。このように全体の満足のためにサービスに取り組むループを回してきたのです。
その結果として利益も出てサービスとして評価もされる、今や巨大な航空会社に成長しました。
そしてその背景にはしっかりと顧客の満足と従業員の満足もあるのです。

